せっかく食事制限をがんばって痩せたのに、生活の変化やモチベーションの低下をキッカケにリバウンドしてあっという間に元の体重に戻ってしまった、なんて経験はありませんか?
どうしたらリバウンドの勢いを抑えられるんだろう?というのは、ダイエットの大きな疑問だと思います。
その答えは、食事でタンパク質をしっかり摂ることです。
本記事では、タンパク質をしっかり摂りながらダイエットすることが大切な理由を解説します。
また、ダイエットとタンパク質について勉強できるおすすめ書籍も紹介します。
リバウンドがひどい理由は、タンパク質不足で太りやすい体になること
タンパク質は、水分以外の筋肉の80%を組成
タンパク質は、体を作るための最重要の栄養素です。
人間の体は、体重の30~40%がタンパク質でできています。
筋肉がつくと代謝によるカロリー消費が増え、ダイエットにも効果的です。
そして、筋肉は水分以外では、80%がタンパク質からなっています。
リバウンドするのはタンパク質不足による筋肉減少のため
だから、タンパク質が足りなくなると、筋肉が減ってしまいます。
筋肉は代謝がよい器官です。筋肉が減れば、同じ体重であっても、代謝が悪い体になります。
食事制限ダイエットで、糖質と一緒にタンパク質の摂取量も減らしてしまっていませんか?
タンパク質の摂取量まで減らしてしまうと、筋肉が減ってしまい、代謝が悪い体、つまり太りやすい体になってしまうわけです。
筋肉が減って体の代謝が悪くなったところで、食事制限に飽きてたくさん食べると、勢いよくリバウンドしてしまう、というのが、リバウンドが急速でひどい原因です。
しかも、もとの体重に戻った場合、筋肉量はダイエット前より減ってしまっています。ダイエット前へのリセットよりもさらに悪い状況からのリスタートになります。
おすすめ書籍と、タンパク質とダイエットについて
本記事は、「眠れなくなるほど面白いたんぱく質の話」という図書の内容を参考に書いています。
ダイエットの際の食事の摂り方について、わかりやすく、多くのヒントが詰まった1冊です。
書籍の詳しい紹介は、記事の後半にします。
そのまえに、ダイエットとタンパク質の関係で、他にもとても面白かった内容からいくつか、以下で紹介します。
筋肉が落ちると痩せにくく太りやすくなる
同じ体重でも筋肉が少ないと太って見える
同じ体重でも筋肉が少ないと、体の線にメリハリがなくスタイルが悪い印象を与えます。
筋肉が増えると、ボディ・ラインがすっきり引き締まり、かえって細く見える効果もあります。
筋肉ムキムキは嫌だという方もおられると思いますが、もの凄く頑張って筋トレに励んでしまわない限り、心配する必要はなさそうです。
1kgの筋肉で増えるエネルギー代謝は13kcalだけ?
筋肉1kgの基礎代謝量は13kcalと言われています。
筋肉を1kg増やすのはかなり大変そうですが、それで13kcalだけしか増えないと思うと、筋トレをするモチベーションが上がりませんよね。
実際には、筋肉は分解と合成を絶えず繰り返しており、その際にエネルギー(カロリー)を大量に消費します。
とくに運動をしなくても、筋肉は毎日約1.8%も生まれ変わります。筋肉が作り替えられるときには、筋肉1kgにつき541kcalものエネルギーが消費されます。
1kgの筋肉のうち0.018kgの筋肉が毎日生まれ変わるわけですから、
- 0.018×541 kcal = 9.7 kcal
1kgの筋肉を維持するとき、基礎代謝の13kcalとは別に、10kcalほどのエネルギーが筋肉の再編に消費される計算です。
同様の計算で、筋肉が多い人と少ない人(筋肉量が11㎏違う2人)の筋肉再編の消費カロリーを比較すると、1日あたり107kcalも違いが出ます。基礎代謝の㎏あたり13kcalとは別に、です。
タンパク質がダイエットによい理由
タンパク質は脂肪になりにくい
そうはいっても、タンパク質だって摂りすぎると太るんじゃないかと心配ですよね。
ところが、以下のような効果があるため、タンパク質の摂取は、むしろ圧倒的にダイエットにプラスな効果が多いです。
- タンパク質は一部脂肪にも変換されるものの、ほとんどがエネルギー消費されます。余った分は尿として排出される。
- タンパク質は食欲を抑えるホルモンの分泌に関係があり、満腹感を高める。
- 食後のエネルギー消費の上がり方(食事後の体の暖まり方)は、タンパク質がダントツによい。タンパク質を多く摂取すると、脂肪の燃焼効率がよくなる。
糖質制限中こそタンパク質を摂る必要あり
糖質制限ダイエット中は、体へのエネルギー供給が不足します。
そこでタンパク質も不足してしまっていると、体はエネルギーを作るために脂肪だけでなく、筋肉を分解してしまいます。
タンパク質が不足する糖質制限ダイエットをしてしまうと、体重が落ちるものの、どんどん太りやすい体になっていってしまうというわけです。
ダイエットが挫折するとか油断した途端に、もの凄いリバウンドが来るわけです。
1日に必要なタンパク質量の目安
体重と身体活動のレベルを入力することで、1日に必要なタンパク質量を計算できる計算機を作りましたので、ぜひご活用ください。
食事制限ダイエットの失敗経験と照らし合わせる
私は、過去に糖質制限を中心に、食事制限ダイエットで何度か痩せました。そして、そのたびに元の体重へのカムバックを繰り返してきました。そのときタンパク質をしっかり摂るという考えはなく、むしろ野菜を多く食べるように努めていました。これでは本末転倒なのですね。
私のリバウンドの経験、とくにその際の体重の増減の解析は、「間違った糖質制限ダイエットのリバウンドはこんなにひどかった!」にまとめてあります。
まとめ
食事制限ダイエットが失敗した時のリバウンドがひどい理由を簡単ですが、解説しました。
また、ダイエットとタンパク質、筋肉の関係について、以下の点を紹介しました。
- 同じ体重でも筋肉が少ないと太って見える
- 1kgの筋肉で増えるエネルギー代謝は13kcalだけ?
- タンパク質は脂肪になりにくい
- 糖質制限中こそタンパク質を摂る必要あり
おすすめダイエット本「 図解 眠れなくなるほど面白い たんぱく質の話」
本記事は、藤田聡著「眠れなくなるほど面白い 図解 たんぱく質の話 たんぱく質のギモンを専門家がすべて解説!」を参考に書きました。 藤田聡氏は、立命館大学スポーツ健康科学部の教授です。筋肉やタンパク質の専門家です。本記事では、この本の内容のごく一部を参考に、ダイエットのためにタンパク質と筋肉が重要なことを解説しました。
もっと詳しく知りたい方は、 「眠れなくなるほど面白い 図解 たんぱく質の話 たんぱく質のギモンを専門家がすべて解説! [ 藤田 聡 ]」 をご一読されることをおすすめします。
予備知識がない一般読者向けに書かれており、大変読みやすく、わかりやすい一冊です。
なお、本書では、ここで扱った内容のほかに、以下のように実用的でたいへん参考になる内容が盛りだくさんな書籍です。
- たんぱく質の種類と、食事の際にどのようにたんぱく質を食べたらよいか。ものすごく具体的なので、ダイエットの献立・食事設計に参考にできます。
- 肌の美容も化粧水よりタンパク質の方が効果大。
- コラーゲンも実はタンパク質を摂るべき。
- 高齢者の健康な体を維持するにもたんぱく質。
- たんぱく質摂取は筋トレの前後どっち?
- 筋トレ後のアルコールはダメ。